兄弟
ペグマタイトをやるとすぐに、水晶と長石の関係に気が付く。
それは兄弟の様に、とても近い関係であるらしい。
大抵は、長石の次に水晶が析出して来ると思われる。だから
長石の表面に煙水晶が付着している標本は多い。
しかし、長石と水晶が均等に育った標本もあり、その順番は、かなり微妙なタイミングだと思われる。
鉱物を研究するに当たって、面白い研究テーマになると思っているが、
知らないだけで、既になされているのかも知れない。
この標本は、外見は水晶的な雰囲気を持つ。
外部だけでなく内部にも長石の結晶を含み、重量的にはイーブンに近い様に思われる。
表面に長石が析出すると、その後には石英は続き難くなるらしく
水晶としての頭のある石は、滅多にお目に掛かる事が出来ない。
話題に乗らないのは、その結晶形が曖昧という理由だけであろうが、
個人的には、自然の営みの不思議が感じられて、大変好きな石だ。
だからいつかは、もっと六角柱のしっかりとした頭を持つ、標本を得たいと思っている。
★★山梨県甲府市黒平産