陽気な水晶
私には小太りの陽気な人が、手を上げながら笑っている様に見える。
最初に抱いた印象はなかなか変わる事なく、あとあとまで残る。
この石は「女神晶洞」の主であり、私に向かって
「我が晶洞へようこそ! ここは当たりだよん!」言っているように感じられる。
採集当初は、茶色の酸化皮膜に覆われて真っ茶色だったが、シュウ酸につけたら綺麗に落ちた。
錐面にはしっかりと腐像の窓が開いていて面白いのだが、残念なことに照りが全くない。
この晶洞からは長石も含めて、照りのない石しか出なかったから、それが女神晶洞の晶癖だし、
それだけでなく、同じハゲで開いた別の晶洞もやはり照りは全くなかったから
この一帯の傾向であるのかも知れなかった。
裏は当たっていて不完全ではあるが、ささやかな私のコレクションの中では立派な石の一つ。
★★★甲
府市黒平