山を歩く
有名な産地は、水晶はまとまって多く出るから、広く知られる事になるが、
小規模、あるいはその一点だけで石英が結晶する事も普通だから、
そんな所を探して山を歩く。
初夏の、まだ若葉の小さな頃がいい。
白い崖は陽に当たって、木々の間から透けて見える。
水晶を見つけた訳でもないのに、心が躍る。
やっとそこにたどり着くと、更に奥にも白く見える場所がある。
せっかくたどり着いた所を、しっかりと探査するのももどかしく、
更に奥へと向う。
いったい、何をしに来たのか、分からなくなってくる。