晶洞の見本のような



晶洞には、上からも下からも水晶が生えているといったイメージは
石に関わった当初に強く抱くもので、これはそのイメージ通りの写真に近い。

落ち葉が一緒に映っていることからも分かるように、露頭の写真であるが、この地では
このような小さな水晶に手を出す人は誰もいないので、長い事この状態であったのだろう。
この地の水晶は、ガマ開け直後は真っ茶色の酸化皮膜に覆われている事がほとんどだが、
雨水に晒されると、酸性雨か何かの理由で、この様に皮膜がすっかりと落ちた、美しい姿になる。
山を歩いていて拾う水晶に酸化皮膜がほとんど無いのは、同じ理由なのだと思う。

母岩がいくら硬くても、いつかは風化して、水晶は母岩から離れて土に紛れる。