水晶採集を楽しむ

山で水晶を拾い上げたその瞬間、感動に体が震えます。
奇跡の様に美しい石が、自分の立っている大地から出るという事実を、体感するからです。
石は、その感動の記念品でもあります。

水晶や鉱物採集の楽しみは、石を得るだけでなく、自然を広く味わい感じる事にあります。
自然とはどのようなものか、人とはどんな存在かを、肌で感じられます。
現代において鉱物採集は、最強のアウトドア・レクリエーションではないでしょうか?
誰も居ない山中に、道があるかないかといった所を歩き、
手の平に隠れてしまう位のちっぽけな石を探すなど、誰も企画してはくれません。
冒険、探検、宝探し、自然観察、自然体験など、色々な要素を含んでいます。
博物館やテーマパークなど、人が管理する場所と違って、
生の自然と接する事は、たまらなく楽しいものです。
それは言葉では表現出来ません。

採集は、山を歩く体力さえあれば老若男女、誰でも楽しめます。
採集方法は、掘る、拾う、歩いて探すなど、色々なスタイルがあります。

鉱物愛好家用語の簡単な解説

ズリ・・・有用な鉱石を取った残りの石捨て場。 転じて、人の掘った跡地の意味にも使う。
ガマ
・・・晶洞の事でポケットとも言う。晶洞の中には必ずしも鉱物が析出して
いるとは限らないし、何が入っているか開けて見るまで分からない。
真砂・・・花崗岩が風化して砂となったもの。
ガレ・・・岩が崩れてむき出しになって樹木の生えていない所
ハゲ・・・花崗岩が真砂化して樹木の生えていない斜度のある場所。
表面が徐々に真砂化して 崩落するために樹木は根を張る事が出来ない。
遠くからでも、白っぽい斜面として確認し易い。
ペグマ(タイト)・・・花崗岩は1〜3ミリ程度の石英、長石、雲母の粒から成っ てい るが、
それらが数倍以上も大きな塊となっている部分。日本語では巨晶部分と言う。
この部分に晶洞が生じ易いが、晶洞の出来ないペグマタイトも多い。
街の塀の石積みや、神社仏閣の敷石の一部などに見かける事もあるが、
石材としては不均一なことから、不良品扱いとなる。
・・・主に石英からなるが、全く違う物もある。
脈には晶洞が出来易いが、脈が無い所にも晶洞は単独に出来る。
晶洞は脈によって繋がって複数個が連なってある場合も多い。
あるいは脈が見えなくても、晶洞は水平線上に生じ易い。
脈は通常は水平方向に伸びるが、垂直時方向に伸びるものもある。
水平の脈と垂直の脈が交わった場所には晶洞が出来易いと言われている。
・・・一般的には水の流れている場所を言うが、山の中にあっては、
尾根と尾根の間の一番低い所を言い、水が流れているかは問題にしない。
産地には沢を登って行く場合が多いから、産地を沢の名前で
呼ぶ場合も多いが、実際のところ産地が沢にあるとは限らない。
晶癖・・・鉱物の結晶の癖。産地、あるいはその中での範囲や、さらには晶洞ご とにも
晶癖が認められる場合がある。有名産地の銘柄鉱物であれば、晶癖を見る事である程度は
産地の判別が出来る。水晶で言えば、形、柱面の太さの変化や照り、模様
色合い、内包物の種類などを見る。
石英と水晶の違い・・・結晶面がある石英を水晶と言う。無ければ単に石英。
結晶面は晶洞という空間がないと出来ないから、採集する上でも両者の違いは大きい。

場所を決めよう

何が難しいかというと、やっぱり場所決めです。数年前と違って、ネットから産地情報を得る事は
難しくなっていますが、それでもまだ残ってあったりする様です。
このページでは産地の情報は省略します。
忘れてはならないのが図書館。古い本の巻末に地図などの案内が
載っていたりします。それと、昔の学会の研究書。しかし、記述が古いだけに、
実際に山に行ってみると、地形やアクセスルートが変わっていたりするので、注意しましょう。

私もそうでしたが、多くの人は子供と行きたいと思うのがきっかけで、山に向かうようです。
ただ多くの産地には、採集禁止の立て看板が立っていたりして困ります。子供への説明が難しいからです。
拾うだけならば山菜採りと、あまり変わらない気もしますが、
自然保護委員は保護地区内では「一木、一草、一石たりとも動かしてはならぬ。」と言います。
これは玄界灘・沖の島の決まり文言から来ているのかも知れません。
つまり、歩いている時に石を蹴飛ばしてもいけない、となります。
確かに石を蹴飛ばすと、下を歩いている人に当って危ないですが。

なにはともあれ、生きている産地を選びましょう。
それは常に人が入って採集がされている場所です。
人の通わなくなった山は、1年でも落ち葉はかなり積もり、
さらに5年も放っておくと、草も立ち木も生えて産地は自然に帰ります。
何も目印の見えない中では、手の付けどころが分からす、採集は難しいでしょう。
ですから立ち入りが規制されている場所は、元は産地という、単なる山でしかなくなります。
人が入る事で、産地は維持されているのです。

入山料を払えば許可をもらえる個人所有の山があるようで、これがもっともお勧めかも知れません。
場合によっては、ポイントも教えてもらえます。
個人が山で採集するには、個人所有の山か鉱山の管理者から許可を得る事が
ほとんど唯一の合法的な方法でしょう。その他は全て、それが石でなくて山菜でも昆虫でも何でも
法に触れる可能性があることに留意しましょう。

どんな危険があるか?

自然の中での怪我の多くは、転倒する事に由来します。どんなに気をつけて歩いても、
転ぶときは転びますが、転がり易く見える石を踏まないとか、下を向いている木の枝を
踏まないなど、ちょっとした事に気をつけるだけでも違ってきます。また、邪魔な枝を押しのけて
歩く時には、枝の跳ね返りが、後続の人に当る事はよくあります。気をつけましょう。
歩いている時に蹴飛ばした石が落ちてしまう事があります。すぐに「落石」と大声をあげて、
注意を促します。同好の士が落としてしまう石もあるので、
常に自分の上下に人がいないか気を配りましょう。

動物の遭遇は、本州ではツキノワグマは一番怖いですが滅多にありません。
私自身は一度も見た事はありません。
しかし、マーキングは方々にあるし、フンや熊棚もしばしば見かけますから、遭遇は時間の問題でしょう。
本州のツキノワグマならば、しゃべったり歌ったり騒がしく歩けばあまり心配はないと思っています。
山菜採りの人は、自分の好きなポイントを他人に知られない様にする為に鈴を付けません。
ですから遭遇する事が多い様です。しかし自然には「絶対」はありません。
鈴を付けていても襲われた例もあります。
最近では、鈴が熊除けとして効果があるかを疑問視する意見もあります。
ただ、小熊を連れた親熊は、子供を守る反応をしますから、これは特別な注意が必要です。

奥山にはどこにでも熊がいる前提で歩く必要があります。
しかしマーキングを見るとやっぱり怖くなります。下の写真はかなり大きなマーキングです。

これは一回で出来る大きさではなく、頻繁に来てマーキングしているのでしょう。
一見、鹿が樹木の皮を食べた跡とも似ていますが、よく見ると爪痕が付いているので分かります。
さすがにこれを見ては、引き帰らざるを得ませんでした。逃げるが勝ち。
普通はもっと小さく、木肌は見えず爪痕しかない場合も多いです。

しかし北海道のヒグマに対しては、かなり注意が必要な様です。
自分で調べて見て下さい。吉村昭の「熊嵐」と読むと、山に入る事が出来なくなります。

次に注意すべきはイノシシです。気が荒いので、近寄らない事が一番です。
林道脇を掘った跡などを頻繁に見かけますが、日中はあまり会いません。
熊と違って木登りは出来ないので、木の上に逃げる手があります。
鹿は森の中では頻繁に遭遇します。
普通は人に向っては来ませんが、林道を車で走っている時には
ぶつからない様に注意が必要です。大きな鹿にぶつかると、車が大きく損傷、時には全損します。
猿は結構危険です。襲われたという話しこそ滅多に聞かないものの、こちらを威嚇してきます。
特に群れでいた時には、静かに離れる必要があります。
蛇を怖がる人も多いですが、これは案外と遭う機会は少ないです。
猟犬は山で遭うとビックリしますが、しっかりと仕込まれているので、じっとしていれば大丈夫です。
しかし、猟師は気が昂っているので、動物と間違われて撃たれる可能性があります。
もしも秋から春の猟期の時期に山に入る時には、目立つ格好が安全です。

昆虫ではスズメバチに注意が必要です。周りに巣が無い時には危険性は低いですが、
巣が近いと威嚇してきます。巣にもっと近寄ると集団で襲ってきます。
スズメバチが寄って来たり飛んでいたら、静かに後戻りをします。
離れてから周りを良く観察して、巣を迂回するルートを取ります。

マダニにも注意が必要です。動物の多い山には多いです。
近くに寄って来た動物にそっと移って、一番柔らかそうな所を選んで
食い付いて血を吸います。私にも経験が一度あります。
家に帰ってシャワーを浴びている時に腰に血豆を発見して、アレッと思って気が付きました。
それまで痛みがほとんど無かったのです。多分徐々に食い込むからでしょう。
(枝に脛をぶつけたりして、生傷が絶えないので、ちょっとの痛みには無関心なのです。)
噛まれた事に気が付いた時にはもう遅いです。
自分で取り去ろうとしても頭部が体内に残ってマズい事になるので、そのまま皮膚科に行って下さい。
マダニは稀に病原性のウィルスを媒介します。北海道では死亡例がある為に、
噛まれた場合はその後2週間程度は健康に留意する必要があります。

ヤマヒルは、私に経験がないので分かりませんが、かなり苦労をする様です。

昆虫類は気温の高い時期にだけ活動するので、気温が低ければ心配は生じません。

持ち物は?

行程、体力、産地のあり方で荷物の中身を決めます。道具は大体の場所ならば、
初心者は園芸用の小さなスコップと熊手。それに鋏があれば、草の根を切るのに重宝します。
工事現場で使う様なシャベルは強力は道具ですが、不審者に見られます。
ハンマーやタガネは中・上級者の持つ物で、普通は使う機会がないから不要です。

その他は山登りの装備と一緒。
靴は登山靴が一番ですが、長靴を愛用する人もいます。運動靴でも大丈夫でしょう。
子供と一緒であれば、笛を持って行くと安心です。声よりも遠くまで響き、
迷子になった時に音を出し続けても疲れません。安くて軽いので、保険代わりにお勧めします。
山中で笛を吹けば、熊除けにもなります。熊除けとしては、爆竹を鳴らす人もいます。
熊だけではなく近くにいる人もビックリしますが、絶大な効果が期待出来ます。
熊は音だけではなく、匂いにもかなり敏感だと言いますから、蚊取り線香もあると良さそうです。
山中では7月下旬を中心に虫が多くいます。特に陽の当る場所では凄まじい事があります。
標高の高い所は予報と違う天候になることが普通にありますから、
天気の良い日であってもヤッケは必需品です。山の中は寒い場合もあります。

お弁当やおやつは、山での楽しみの一つです。
寒い時期だと硬くなってしまいますが、普通の時期ならば、おにぎりやご飯物が一番。
おやつは甘いものと塩っぱいもの、両方あると良いです。どちらを食べたくなるか、
行ってみなければ分からないものです。普段は買えない様な高いおやつを買うと、
特別な時間が更にグレードアップします。 水分はスポーツ飲料も良いでしょうが、
私は水をお勧めします。経験からです。ちょっと手を洗うのにも使えますし、安いです。
水分は多めに持って行きましょう。

出発

天気予報をしっかりとチェックします。しかし、山は予報から外れ易いです。
雨が降って湿度がある山は、雲が出易いので、数日前から天候に気を配ります。
悪い予報の時には迷わず延期しましょう。
知らない山は天気が悪いだけで、かなり怖く感じます。実際、山は怖いです。
慣れているはずの私も、一人の時に突然山鳥が足元から飛び立っただけで、
心臓が口から出そうになるほど驚きます。
また、山で雨に降られると景色は悪く、体も持ち物も濡れて楽しくはありません。

前日の夜に産地近くに泊まる人も多いです。車中泊ですね。その場合は、
夜でも車の動きが少なく静かで、電波はあるか、トイレや水はどうかなどで駐車場所を決めます。
座席で眠る人もいますが、結構疲れます。フラットになる荷台で、布団や寝袋で寝るのが一番です。

山に入る

朝は早くに起きて、遅くならずに下山するのがお勧めです。
春から夏にかけての季節には、野鳥のさえずりも楽しめますが、日の出前がもっともにぎやかです。
余談ですが、鳥は見つけるよりも、鳴き声を聞き分ける方が簡単に認識出来ます。
シジュウカラ、ホトトギス、アカハラ、ミソサザイ、ルリビタキ、ヤマガラ、キビタキなどを覚えていけば
かなり楽しむ事が出来ます。野鳥は標高や環境でその種類が変わります。
朝の山の景色の移り変わりは美しいものです。朝もやで何も見えなかったのが
にわかに晴れ上がったり、逆に青空が見えていたのに、太陽が昇るにつれて霧が出る時もあります。

暑い夏場は、晴れていても午後に雲が出て夕立が来る事も多くなります。
夕立で沢が増水して帰れなくなるといった可能性も、頭に入れておく必要があるでしょう。
沢を見れば、大雨でどの程度増水するか、何となく分かります。
そんな事で、常に天気と向いあう必要があります。
風が出る予報の時には、体が冷えない様に一枚余計に着なくてはなりません。

目的地が初めての場合は

案内をしてくれる人がいる時には安心ですが、そうでない時には慎重に行動しなければいけません。
同じ道を戻って帰る訳ですから、しっかりとまわりの地形を覚えながら進みましょう。
赤い紐を結びながら行くのも良いでしょう。
白い紐は目立たないので、帰りに見つけられない恐れがあります。やっぱり赤です。
道は沢に沿って歩くか、尾根づたい歩く事が多いですから、沢を渡る所や、尾根を越える時には
しっかりと覚えておきましょう。歩いている道が分かれた所は要注意です。
それに、見る方向が違うと、同じ場所でも分からなくなる場合も多いです。
ですから写真を撮りながら行くのも良いと思います。
山には色々な道があり、いかにも人が多く歩いているように見えても
獣道の場合もありますから、変だと思ったら引き返しましょう。

2万5千分の地図はあると安心ですが、慣れないと頼りにする事は出来ません。
私自身も、未だに使いこなせてはいません。それよりも最近ではGPSを持って歩く人が多いです。
私は持っていませんが、かなり安全に山に入れます。お財布に余裕があれば絶対にお勧めします。
携帯電話は山の中で電波が届かなくても、緊急時には人工衛生を使って居場所が分かるそうです。

目的地に着いたら

まず落石の可能性のない安全な場所を選んで、リュックを置いて一休み、水分を補給します。
水分は、体が欲した時だけ飲むのでは、足りません。
特に暑い日は、お昼までにこの一本を飲むと決めて、それを消費する様に飲みます。
一度に多く飲むと、おしっことして出てしまいますから、こまめに飲みます。

目的地に着いて、気持ちが早っているかも知れませんが、まずは
産地を広く一周りする事を勧めます。歩く事によって、色々な情報を得る事が出来ます。
うまく採集する為には、良い石が落ちている所を選ぶのが一番大切です。
石英のある事は基本ですが、白濁した石英だけの所には水晶は無い場合もあります。
逆に、ほとんど石英が無くても、水晶の出る場所もありますから
水晶が落ちている場所を見つける事が、やるべき最初の事でしょう。

採集する

表面採集に時間を使わないベテランもいますが、これをバカにしてはいけません。
掘るよりも効率が良い場合もありますし、案外と大きな水晶が落ちているときもあります。
先人の見落としが雨に洗われて、気が付き易くなっているからです。
大昔に自然崩落のため土砂にまみれた水晶が、陽の目を見て露出している場合もあります。

水晶は、必ず出易い場所があるので、そこを見極めることが大切です。
掘る場合には、先人が採っていない所にしないと、徒労に終わってしまいますが、
先人がやっている場所は、良い場所の場合が多いです。
だから先人がやった近くで、手つかずで残っている場所を探しましょう。
最初は広く探り、可能性を感じたら深く掘るのも良いかも知れません。
ダメだと思ったらさっと場所替えをし、可能性がありそうだと思えば粘ります。

掘っている時には、その場所がどんな場所であるのかを、いつも注意しながら掘ります。
以前に誰かが一度掘った場所なのか、そうでない処女地なのか。
表土(細かい砂と落ち葉などの有機物からなる堆積土)やズリか、あるいは
その下の「地」(岩石が真砂化した砂地や岩)なのか。
その見極めは意外と難しいです。
地に木の根っこが腐って入っていて、堆積土に見える場合もあります。

ズリがあれば、その中から見落としや二級品を探すのが楽ですが、
そうでない場所なら、水晶は地を掘るのが普通です。しかし
表土(堆積土)に、大昔に崩れたガマに入っていた鉱物が混じっている事もあります。
崩落ガマと言います。そんな場所が見つかったらラッキーです。
私はベテランが掘り起こしたズリから、大きな水晶を拾った事が何回もあります。
ベテランは表土のチェックには時間を使いませんから、そういう幸運があるのです。

ビギナーズラックは割りと多くあります。私にもありました。ビギナーは
セオリーに添わない行動をするので、思わぬ大当たりや幸運を手にする事があるのです。
自然は、人智の及ばない事の表れでしょう。

帰り道は慎重に

帰りは疲れて注意力に欠いているので、転んだりする可能性はかなり高くなります。
道に迷わない様に周りに気をつけながらも、足元に十分に注意を払いましょう。
転ばない限りは、怪我をする事はまずありません。
逆に言えば、転ぶ事が一番危険なのです。

帰宅したら

採集品を洗って整理します。酸化物で覆われている場合には酸で処理をします。
薬局で身分証明書を見せれば、蓚酸という薬品を買う事が出来ますから、これを
水に溶けるだけ溶かして、その中に1〜2週間入れます。
ビックリするほど綺麗になる場合もありますが、あまり変り映えがしない事もあります。
やってみてのお楽しみ。
採集品をどのように飾ったり保存するかなど、帰ってからも楽しい時間をたくさん過ごせます。
購入した石とは愛着が全く違いますから、飾った石を眺めるたびに、
採集した日の事を思い出して、また楽しい気持ちになります。

中・上級編

地質図や昔の文献をよく読んで、出そうな山を歩いて探します。人が多く行く場所では
石は取り尽されているので、ベテランは山奥をさまよい歩きます。かなりマニアックで、
初心者にはとても真似が出来るものではありません。

花崗岩の岩山やハゲを歩いて、ペグマタイトを見つけて採集する方法は、ちょっと特別です。
ペグマタイトから出る鉱物は様々ですから、格別の魅力はありますし、
その地形が織りなす風景は変化に富んでいて、歩いているだけでも楽しいものです。
この時はハンマーとタガネは必需品となります。(真砂化して必要のないポイントもあります)
いわゆる、岩を叩くというもので、
一番鉱物採集らしくカッコ良い印象ですが、多くの人達が歩いている山中で、
ペグマタイトを見つけ出す事は、相当の時間や努力が必要で、運試しに最適とも言えます。
採集の成果は、山に入った回数や歩いた広さに比例するでしょう。
たた、滑落の危険は常に付き纏い、不幸にして亡くなった人もいます。
これは人ごとではありません。実のところ、私も今まで運が良かったと考えています。
上ばかり見て登っていて、ふと時に下を確認した時に、
あまりにも危険な所にいる状況に愕然とした事が、数回ありました。
くれぐれも上下には注意して歩きましょう。

採集の時期について

山の雪が無くなったら採集の季節はスタートします。
春から若葉が大きく開くまでは、山の見通しが利くので心理的に安心感があり、
太陽が森の中まで届くので明るく、気持ちの良い山歩きを楽しむ事が出来ます。
特に5月は野鳥の鳴き声も豊富で、豊かな気持ちになれます。
夏は平地の暑さを避けて遊ぶ事が出来るので、違った意味で良い季節ですが、
7月20日辺りをピークに、虫が大変多くなるので、この前後2週間は快適な採集は出来ません。
避けるか、蚊取り線香を多めに準備した方がよいでしょう。
夏が終わると鳥や蝉など虫の声も少なく、段々と静かな森になります。
紅葉が終わって落葉する晩秋は、再び明るい森に戻りますが、
落ち葉が積もって表土が見えにくいです。また陽が低く心理的に不安感があり、
日没は早いので、早めの下山を心掛けます。
冬は積雪や凍結により採集が不可能になります。
凍った土は岩以上に硬くなり、掘る事はもちろん、拾う事さえも出来ません。



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