採集紀行・青空の下で 



 まだまだ葉の色に明るさがある山には、ミソサザイやコマドリのさえずりが聞こえる。

 前回に来た時とは全く違う山になっている。木々に葉がついているのといないのでは、ここまでも違うのかと驚かずにはいられない。何ども 経験している事なの に、やっぱり驚いてしまう。まだ馴染みのない所なだけに、驚きよりも不安の方が先に立ってしまい、上を見たり下を見たりしなが ら行く先の正しい事を確かめつつ、ようやくポイントに着く。下見に来た時からだいぶ間があいたから、また少し掘り込まれているようだ。まずは虫除け熊除け の蚊取り線香をつけてから、いつもの様に全体を一回りし て、今日一日の運を試す場所を定めて取り掛かる。線香を2巻つけた効果はあるようで、虫はあまりうるさく感じられない。開始早々に小指くらいの大きさの良 い水晶が一本出る。これで今日来た甲斐があったと嬉しくなる。しかしこのポイントのパターンがなかなか掴めない。粘土の多い層からも、岩 の多い層からも出るし、さっきの大きな水晶がどこから出たのか掴み損ねたから、狙いを絞る事も出来ない。

 右に左にとやってみるが、なんとなく右の方が良い気がする。でも、自然の事だしなあと考えているうちに、全体に出が悪くなってしまう。 今日は久しぶりに長時間掘っていたのでかなり疲れる。車に戻ってからのカップヌードルタイムも残しておきたいので、潮時と思い終了。最初 の一本が一番良い石であったのは、残念と言えるだろうか? いやいやラッキーだろう。前にやった人がもう10分長く掘っていたなら、私の 手にはならなかったはずで、もちろん逆もある。ガマ開けとは違うから、成果は運命の神様にしか分からない。