採集紀行・青空の下で 



友人と共に、冬の山に入る。

日陰には霜柱だけではなく、つららも垂れ下がっている。日が低いのでやたらと日陰が多い。
沢は色々な向きで出来ていることから、風化が進んでいる山域だと知れる。
そんな場所ではあまりペグマタイトは見つからないものだ。しかし彼には当てがあるようで、周りの風景を
確かめながら進んで行く。しかし、なかなか目当ての場所にたどり着けず、尾根に沿って歩いたりあるいは越えたりを
繰り返す。硬そうな岩肌に小さな晶洞が連なっている場所にも出るが、あまりに硬そうなので
二人とも手を出さない。そのうちにいよいよ見覚えのある場所に出た様で、ここらだと言って彼は一帯を示す。
確かに足元にはペグマタイトが散らばっている。

昼食を挟んで、二人並んで掘る。私と彼の間には倒木があり、出てきたペグマタイトをその上に並べながら
掘り進む。最初は結晶面がなかったが、徐々に面を持った石が出て来るようになる。
ペグマが出ると、結晶面があるとか無いとか、2面あるとか一言コメントを付けて倒木の上に並べるのが楽しい。
そのうちに倒木に生えるキノコの様に多く並ぶが、あるものは落ちて元々あった斜面に戻っていく。
日の当たらない寒い沢にふさわしい、ちょっと寒々しい光景となる。

水晶は幾つかは出たが、期待された様な大きさの石は出ず、それでも出た事に満足して道具をしまう。
驚いたのは帰り道の堰堤脇の水たまりで、融けずにある氷の下で動く生き物を認める。何だかカエルの様だったと、
潜った辺りの落ち葉を突くと、やっぱりカエルが出て来る。3匹はいるし、探せばもっと居そうだ。
こんな冬に水の中に居るなんて、彼らは水の中で冬を越すつもりなのだろうか?
確かに0度以下にはならないから、地上の石の下よりもずっと暖かいだろうけど・・・。

家に帰って調べると、やはり水の中で越冬するカエルのいる事が分かる。
驚きを一つ胸にする。