鳥の住処


普段の生活をしていると、時々山のことを思い出す。
それは、山での印象的だった場面と今、頭の中で考えている何かとの、共通項なのだろう。

この石について、さて何を書こうかと考えていた時に、ふと思い出したのは、
ある春の日、このポイントに、その年に初めて足を踏み入れた時の場面だ。
堀場を歩いていたら、足元から黒っぽい小鳥が飛び立った。
なぜにまた、そんな直前まで逃げずにいたのだろうと、こちらもビックリした。
飛び立った辺りを見ると、笹根の下に、堀跡としては小さな穴があった。
それはきっと、まるでダメそうだと掘ってすぐに見切りを付けた跡だったのだろう。
そんな小さな穴が、小鳥には巣穴としてピッタリだったようだ。
まだ卵はなかったので、きっと準備中か何かだったに違いないが、これから山に人が入って来る季節、
小鳥には申し訳ないが、そのタイミングで場所替えを迫られたのは、ラッキーだったと思う。

あの時の小鳥は今、どうしているだろうか?
きっともう天に召されて、その次か、また次の代になっていることだろう。

山 梨県水晶峠産